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Channel: @74thの制作ログ
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2022年5月製作:同人自作キーボード『Sparrow62(+1)v2』を作り、頒布しました

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この記事は、ブログ記事にしていなかった制作物を、改めて製作した過程を残す為の記事です。2019-2022年初頭ごろまであまりブログに残すことをしておらず、過去を振り返れなかったので改めて記事にしています。

自作キーボードキットSparrow62の次世代版として、Sparrow62(+1)v2を作りました。

動機

Sparrow62(初代)を製作していました。

74th.hateblo.jp

これから時間が経ち、他の製作も通して自作キーボードの理解度が深まりました。 今ならよりよいキーボードができると思い、製作に挑みました。

主な課題感は以下のような所です。

  • コロナ禍の電子部品の高騰により、ProMicroが入手し辛くなっており、今更ProMicroを使うよりもRaspberryPiPicoを使いたいと思った。
  • ほとんど1Uの構成にしていると、キーキャップが1U用のものしか使えず、多様なキーキャップを楽しむことができない。分割キーボードながら一般的なキーキャップセットを使えるようにしたい。
  • 右手の右側にマウスをすぐ操作したいため、通常のキー配置のEnterやBackspaceを配置したくないが、このキーは使いたかった。
  • トッププレート、ボトムプレートにアクリルを利用しており、キットを生産するにもアクリルカットが必要で、これの製造にかなり手間がかかる。
  • 左右分割に2つのマイコンを使うのをもったいなく思っていた。片方は単機能ICでできないかと思った。
  • MicroUSBでは接続したくない。

そこで、以下の点を作り込みました。

  • RaspberryPiPicoを使用
  • 通常のキーキャップセットが使えるキー配置
  • 右手のキーボードの外側にマウスを置くために、右側のキーの数をおさえ左側が膨らむデザイン
  • トッププレートを1.6mm厚PCB、ボトムプレートを2.0mm厚PCB、ロジックボードを1.0mm厚PCBで製造(ALL PCB)し、厚さを最小限にした
  • 左手にRaspberryPiPicoを組み込み、右手はIOエキスパンダーICであるMCP23017を使用。
  • RaspberryPiPicoからUSB信号のパッドを接続可能にして、USB-Cソケットを別途搭載。

これまでの特徴である以下の点は継続しています。

  • 薄型Chocスイッチ v1/2 と、Cherry MX互換スイッチに対応
  • スイッチ交換対応(ソケットによるホットスワップ
  • 数字キーありの63キー(60%キーボード)
  • トラックパッドと併用するモジュールあり

これで期待通りのキーボードができあがりました。

販売

初代Sparrow62によりもかなりの自信作になりました。 まず、Boothにて販売をしました。

74th.booth.pm

その後、自信作となったため、遊舎工房で販売してみたいと思い、申し込みを行い、販売していただくことができました。 現在は販売終了したため、商品ページは残っていませんが、販売していることを記事にしていただいたこともあります。

akiba-pc.watch.impress.co.jp

現在は、最初の製造数を全て完売しました。 厚さの違うPCBを注文していたため、わりとPCBの製造にコストがかかり、完売後の再製造には踏み切れませんでした。

2025年3月のキーケットにて、3代目を製作しました。それはまた別の記事にします。

振り返ると

かなりこだわりの強いキーボードを世に出すことができました!

技術書典のオフラインイベントにて、私がブース出展している機会として、更にカスタマイズしたSparrow62(+1)v2キーボードをわざわざ見せに来てくださったかたがいらっしゃいました。 非常に嬉しいことでした。 自分のこだわりが伝わり、更に他の方のこだわりに加勢でき、良かったなと思います。


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